プロテニスプレーヤーとして活躍する園田彩乃さんは、福岡県出身で、若くしてプロに転向した選手として知られています。その一方で、大学にも進学し、学業と競技を両立させてきた努力家でもあります。彼女が通ったのは、日本大学の通信教育部。テニス部にも所属しながら、学生として、そしてアスリートとしての基盤を築いた大学生活は、彼女のプロ転向にも大きく影響しました。この記事では、園田彩乃さんの大学時代にスポットを当て、その歩みを詳しく紐解いていきます。
日本大学・通信教育部での学生生活と部活動
園田彩乃さんが進学したのは、日本大学の通信教育部です。通信制といっても、単に在宅学習を行うだけではなく、部活動やスクーリングなど、学生として多面的な活動ができる環境が整っています。園田さんはこの日本大学に18歳で入学し、大学の体育会テニス部に所属。通信制でありながら、テニス部としてしっかりと組織されたチームでの練習や団体戦に取り組んでいたのです。
大学生活の中で、園田さんは学業とテニスの両立を意識しながら努力を重ねていきました。特にテニス部での活動は、単なる技術向上にとどまらず、人間関係や礼儀作法など、社会に出るうえで大切な要素を多く学べる貴重な経験になったといいます。実際に、先輩後輩との上下関係を通じて得られた気づきは、彼女のその後の活動においても非常に活きているようです。
また、通信制であるからこそ、時間を柔軟に使えることも利点でした。学業の合間に練習時間を確保し、時には遠征にも参加できる環境が整っていたことが、大学とテニスを両立するうえで大きな支えになっていました。このように、通信制というスタイルを活かして大学生活を送っていた園田さんの姿勢は、多くの学生アスリートの参考になるはずです。
大学3年生で決断したプロ転向、その理由とは?
園田彩乃さんがプロに転向したのは、大学3年生の夏、2016年8月のことです。このタイミングは、彼女自身が長らく考えていた「プロになる時期」について熟考した末に導き出したものでした。テニス部に所属していた彼女は、大学3年生の6月まで部活動を続けたのち、団体戦の経験を経て、自身のテニス人生の方向性を改めて見つめ直したといいます。
プロ転向を決意した理由として、園田さんは「学生のうちに自分を追い込みたい」という想いを挙げています。若いうちにプロの世界に飛び込むことで、より多くの経験を積み、世界と戦える実力をつけたいという気持ちが、彼女の背中を押しました。また、大学での団体戦経験を通して得られた責任感や、他人に頼らず自分で決断する力も、プロになる決意を後押しした要素といえるでしょう。
さらに、彼女は大学という環境を“通過点”ではなく、プロへの“準備期間”としてとらえていました。ただ単に学生生活を送るのではなく、そこから何を学び、どう自分を成長させるかという意識を持っていたのです。プロ転向後は、練習拠点を自由が丘インターナショナルテニスカレッジ(JITC)に移し、本格的なプロ活動へと舵を切りました。大学生活で得た経験が、こうした次のステップへと自然につながったことは間違いありません。
大学で学んだことがプロ活動の土台に
園田彩乃さんが大学生活を通して得たものは、テニスの技術や体力だけにとどまりません。まず特筆すべきは、体育会系ならではの礼儀やマナー、上下関係の大切さです。これは個人競技であるテニスにおいても非常に重要な要素であり、ツアーでの人間関係やコーチ・関係者とのやりとりにも大きく影響します。
また、団体戦というチームプレーの中で学んだ“責任”や“共に戦う意識”も、彼女の人格形成に大きな影響を与えました。試合では一人で戦うプロの世界でも、サポートチームの存在やファンとのつながりが不可欠です。そういった“誰かのために全力を尽くす”という意識を、大学の部活動で自然と身に付けていったことは、園田さんの競技人生を支える大きな柱となっています。
通信制であったことから、自己管理能力や計画性も養われました。日々のスケジュールを自分で組み立て、学業とテニスのバランスを自ら整えていくという習慣は、プロ転向後の生活でもそのまま活きています。遠征や試合の合間に課題をこなすなど、多忙な中でいかに効率的に行動するかを体得していた彼女は、社会に出た後も強い自己管理能力を発揮できています。
これらすべての経験が、園田彩乃さんという選手を支える“土台”になっているのです。学びの場としての大学、競技の場としての部活動、そして自己成長の場としての通信制教育。どれもが彼女にとってかけがえのないものであり、それらが融合したことで、現在の彼女があると言っても過言ではありません。
まとめ:通信制大学からプロへ羽ばたいた園田彩乃の歩み
園田彩乃さんの大学生活は、「通信制」という柔軟な学習環境と、テニス部という組織的な競技環境をうまく活用したものだったといえます。大学での学びは単なる知識の習得にとどまらず、人間としての成長、競技者としての精神的な強さを身につける場として大きな意味を持っていました。
日本大学の通信教育部に通いながら、体育会のテニス部に所属し、仲間と切磋琢磨する日々。その中で彼女は、自分の立ち位置を見つけ、プロへと進む覚悟を育んできました。団体戦を経験したことで得た責任感、上下関係を通して学んだ礼儀、そして自らを律して行動する能力。これらはすべて、通信制だからこそ実現できた、園田さんならではの大学生活の成果です。
今後、園田さんのように通信制の大学で学びながら競技を極めたいという若者も増えるかもしれません。そんな人々にとって、彼女の歩みは一つの理想的なロールモデルとなるでしょう。どんな道を選ぶかではなく、その道でどう努力を重ねるか——園田彩乃さんの大学時代は、その答えを静かに示してくれています。